NHKテレビのクローズアップ現代「ワクチンがうてない!」という番組を見ました。
JISSの食堂で夕ご飯を食べているとき、ふとテレビをつけたらちょうどやっていたのです。
ワクチンを接種すれば防げる感染症がたくさんあるのに、日本ではそれが任意接種であったり、接種する値段が高価であったりするために、子供の接種率がなかなか上がらないというお話。厚生労働省のおえらいさんが、「ワクチン接種の副作用とのジレンマ」とのたまわっていましたが、はやい話、ワクチン接種を義務化すると副作用が起きた時に国が責任をとらなくちゃいけないから義務ではなく勧奨接種にしている、だから接種率が低く、防げる感染症を防ぐことができずに病気になって苦しんでいる子供たちがたくさんいるという話でした。
おかしな話ですよね。医学研究のレベルは高いのに、医療のレベルは後進国。その気になればすぐに解決できる問題だし、医療を行う側もこのような医療の仕組みに関心を持たなきゃいけない。「いくら医学が進歩しても医療の仕組みがよくなければ国民はその恩恵を受けられない」ことの典型です。
もう一つ感じたことは、ワクチン接種を受けるのは自分が感染症になるのを防ぐという目的以外に、世の中に感染症を蔓延させないという「社会的な意義」があります。その点が、なんとなくみんなに理解されていないような気がしたのです。つまり、ワクチン接種の副作用の可能性と感染症になって後遺症が残る可能性を天秤にかけて自らワクチンを接種するかどうか判断するだけでなく、社会の一員としてワクチンを接種する義務を負っている、とみんなが考える必要があるのではないか、と感じました。であれば、当然経費は国が負担しなければいけないし、同時に、頻度は少ないかもしれないけれど、ある程度の確率で起こりうるワクチン接種の副作用も許容しなければいけない。そのことを、国も医療を行う側も堂々と語る必要がありますね。個人の権利だけでは社会は成り立たないのです。
いずれにせよ、世界に比べて明らかに遅れている日本のワクチン接種を何とかしなければ、と強く思ったのでした。
それにしても、やっぱりNHKはいい番組やっているね。先月の広州のアジア大会の時もNHKの海外向け放送を毎日見ていたけれど、様々なジャンルでいい番組を作っていた。改めて、受信料を払うだけの価値はあるな、と感じたのでした。