月別アーカイブ: 2010年12月

ワクチン後進国ニッポン

NHKテレビのクローズアップ現代「ワクチンがうてない!」という番組を見ました。

JISSの食堂で夕ご飯を食べているとき、ふとテレビをつけたらちょうどやっていたのです。

ワクチンを接種すれば防げる感染症がたくさんあるのに、日本ではそれが任意接種であったり、接種する値段が高価であったりするために、子供の接種率がなかなか上がらないというお話。厚生労働省のおえらいさんが、「ワクチン接種の副作用とのジレンマ」とのたまわっていましたが、はやい話、ワクチン接種を義務化すると副作用が起きた時に国が責任をとらなくちゃいけないから義務ではなく勧奨接種にしている、だから接種率が低く、防げる感染症を防ぐことができずに病気になって苦しんでいる子供たちがたくさんいるという話でした。

おかしな話ですよね。医学研究のレベルは高いのに、医療のレベルは後進国。その気になればすぐに解決できる問題だし、医療を行う側もこのような医療の仕組みに関心を持たなきゃいけない。「いくら医学が進歩しても医療の仕組みがよくなければ国民はその恩恵を受けられない」ことの典型です。

もう一つ感じたことは、ワクチン接種を受けるのは自分が感染症になるのを防ぐという目的以外に、世の中に感染症を蔓延させないという「社会的な意義」があります。その点が、なんとなくみんなに理解されていないような気がしたのです。つまり、ワクチン接種の副作用の可能性と感染症になって後遺症が残る可能性を天秤にかけて自らワクチンを接種するかどうか判断するだけでなく、社会の一員としてワクチンを接種する義務を負っている、とみんなが考える必要があるのではないか、と感じました。であれば、当然経費は国が負担しなければいけないし、同時に、頻度は少ないかもしれないけれど、ある程度の確率で起こりうるワクチン接種の副作用も許容しなければいけない。そのことを、国も医療を行う側も堂々と語る必要がありますね。個人の権利だけでは社会は成り立たないのです。

いずれにせよ、世界に比べて明らかに遅れている日本のワクチン接種を何とかしなければ、と強く思ったのでした。

それにしても、やっぱりNHKはいい番組やっているね。先月の広州のアジア大会の時もNHKの海外向け放送を毎日見ていたけれど、様々なジャンルでいい番組を作っていた。改めて、受信料を払うだけの価値はあるな、と感じたのでした。

リーダー論の勉強会

今日は江口克彦さんの話を聞いてきました。江口さんはあの松下幸之助さんの秘書を23年間され、常に一緒におられた方、現在は参議院議員をされています。

会場は若い人たちの熱気でいっぱい、松下幸之助さんとの数々のエピソードを交えながら、「真のリーダーとは」というお話でした。

江口さんが語ったリーダーの条件は、1)自分のことより人のこと、人を喜ばせることに自らの喜びを感ずること、2)人を感動させること、この人のためなら命をかけても、と思わせるものを持つこと、3)雑談などを通じて相手を緊張させずに、たくさんの人の話をよく聞くこと、とおっしゃっていました

本当にその通りですね。講演後はすべての質問に丁寧に答えてくれました。そして、最後に、「今の日本には真のリーダーがいない、ぜひここにいる若い人たちの中から真のリーダーが育ってほしい」と。

「いつでも今日の話を思い出さなきゃなあ」と感じる、いいお話でした。

一週間のご無沙汰でした

11月25日に広州アジア大会から帰国しましたが、そのあとガタガタしていてしばらく書くのをさぼってました

今回のアジア大会での日本の成績は金メダルが48個、中国が199個、韓国が76個でしたから、両国にかなり水をあけられる結果でありました。そんな中、男女のサッカーや男子バレー、男子ラグビー、女子ソフトボールなど、団体球技での金メダルはうれしい結果でした。女子ハンドボールも強豪韓国を破りました。

私にとっても、約5か月間続いた海外帯同がひと段落しました、7月はソフトボールの世界選手権(ベネズエラ)、8月はユースオリンピック(シンガポール)、9月はレスリングの世界選手権(モスクワ)、10月は体操の世界選手権(ロッテルダム)、そして11月は広州アジア大会、それぞれ2-3週間の帯同ですから、この半年間、半分以上は海外生活でありました。なかなか、どっしりと腰を落ち着かせることができない半年間でしたが、しばらくは日本で、落ち着いて仕事ができそうです。

とはいえ、なかなか落ち着くことができない性格だから、なんやかんやらできっと忙しくなっちゃうんでしょうなあ。まあしょうがないね。

体に気を付けて、師走を乗り切ろうと思います。

アジア大会の陸上メインスタジアムで