各地で測定された放射線量は安心できるレベルです

今朝JISSクリニックに届けられる二つのスポーツ新聞の一面の見出しを見てびっくりしました。

「原発爆発、火災、230キロ先東京まで放射線拡散」、「浴びる量高くなると発がんの恐れ」、「原発放射能漏れ、広域拡散も」、「すでに関東各地で通常の10-100倍の放射線量観測」、「専門家はいずれも人体に影響ないレベルというが・・・」

何を目的に、このような不安をあおるような書き方をするのだろう。

昨日報告された東京・新宿での放射線量は毎時0.809マイクロシーベルト。すなわち、この量を一日中浴び続けると19.416マイクロシーベルト、一年中浴び続けたとしても7086マイクロシーベルト、すなわち約7ミリシーベルトになります。

我々医学の専門家からすればこの数値は「原発の爆発にもかかわらず、むしろ心配な放射線拡散はない。安心できる」と判断できる量なのです。

私はレントゲンの透視下で内視鏡などを使って治療をするのが専門でしたから、自分の被ばく量を毎月計測していました。職業被ばくで許される被ばく量は年間50ミリシーベルトですが、たくさん検査や治療をしなければならなかったときは、被ばく量がひと月に10ミリシーベルトを超えることもありました。もちろんこのような場合は、被ばく量を減らすように勧告を受けるわけですが、昨日東京で観測された放射線量は、1年中浴び続けても、かつて私がひと月で浴びた放射線量にも満たないのです。

本日報告された各地の放射線量も全く安心できるレベルです。今日の夜のニュースではやはり不当な風評被害で被災地に物資が届かないという状況も起きているようです。不確実な情報に踊らされないでほしいと思います。

どうか皆さん、安心してください。