月別アーカイブ: 2011年3月

日本を元気にしたい!

3月11日、国内観測史上最大の規模を記録した東北地方太平洋沖地震が発生いたしました。この震災により多くの方の尊い命が失われたことに、深い哀悼の意を捧げます。同時に被災された皆様に対し、心よりお見舞いを申し上げます。

こんにちは、セクレタリーKです。今回の災害で、情報が錯綜し、不安をつのらせている方も多いと思います。医学的に正しい情報を知りたい方は小松先生にどうぞお気軽にお問い合わせください。(問い合わせフォームより、または小松先生ツイッター)。「24時間対応する」との嬉しいお言葉をいただきました。

小松先生からのメッセージは「がんばろう、ニッポン」。

日本代表ロボコップ! 小松先生

不安で押しつぶされそう今も、深呼吸! そして、少しでも身体を動かしてみる。簡単なストレッチでも、気持ちが切り替わると思います。アスリートも含め、今できることを実行していきます。気持ちを強く持って、この困難を乗り切っていきましょう。

セクレタリーKも祈りを捧げています。

ガンバレ、ニッポン!

退院後初めての外来診察

退院後、初めての外来診察に行ってきました。

今週から職場復帰はしたものの、月曜日は震災の影響で電車を乗り継いで通勤に2時間かかり、ちょっと疲れました。

水曜日は、車で通勤してみたのですが、車に乗り込むだけでちょっとつらく、また同じ姿勢で運転を続けることがかなり腰の負担になることがよくわかりました。何事も、経験するとよくわかります。

ちょっときついなあ、とは思っていたのですが、今日の診察でも、「今は骨がくっつく大事な時だから、あまり無理しないほうがいいですよ」と主治医の先生。

ちなみに、椎骨と椎骨の間に入っているのが移植した腸骨、この二つの骨がくっついてくれればいいわけです。

今日とったレントゲンは、特に問題はなく順調なのですが、上司とも相談し、今月いっぱいは、再び自宅で療養させていだくことになりました。

医者になって25年、こんなに長く休んだことがないから、休むことが不安になっちゃいますが、夏以降はロンドンオリンピックに向けて忙しくなるし、まだまだバリバリやらなきゃあいけないから、しっかり治すためにお言葉に甘えちゃおうと思います。

仕事に復帰するころには、原発も落ち着いてればいいなあ。

無責任な報道による風評被害に怒りを感じます

今朝TBSテレビ「みのもんた朝ズバッ」で、南相馬市の市長さんが風評被害の実情を訴えていました。

「支援物資が届かない。トラックの運転手が放射線を被ばくしたくないといって街に入ってくれない。市の職員がわざわざ郡山まで支援物資をとりにいっている。市でも独自に放射線量を測定しているが全く問題のないレベル。そのことを全国の皆さんに伝えてほしい」

昨夜書きました。不安をあおるような無責任な見出し。その結果がこういうことになるのです。今朝の新聞に出ている週刊誌の広告見出しにも、「戦慄放射線汚染」、「東京放射線汚染」、といった、見出しが並んでいます。

昨日書いたように、東京はもちろんのことこの南相馬市でも放射線量は安心できるレベルです。南相馬市の放射線量は毎時3.3マイクロシーベルト。これは1年間浴び続けても28908マイクロシーベルト、すなわち28.9ミリシーベルトですから我々医者がレントゲン検査で1年間に被ばくすることを許容されている50ミリシーベルトの範囲内なのです。

みんなが、「被災した人たちのために何とかしたい」、と思っているのに、こういった無責任な見出しが、被災した人たちを苦しめる結果になるということを新聞や週刊誌はわかっているのだろうか。結局、みんなが興味を引きくような刺激的な見出しをつければ、売り上げが上がるから書くのだろう。

国民の多くが自分のことより被災地のみんなのことを考えているのだから、報道する側も自分たちの売り上げなど考えず、被災地の人たちのことだけを考えてほしい。

マスコミの皆さん、ぜひ被災地に風評被害が出ないようにお願いします。医学的な正しいコメントが必要なら24時間対応しますから、どうぞいつでもご連絡下さい。

各地で測定された放射線量は安心できるレベルです

今朝JISSクリニックに届けられる二つのスポーツ新聞の一面の見出しを見てびっくりしました。

「原発爆発、火災、230キロ先東京まで放射線拡散」、「浴びる量高くなると発がんの恐れ」、「原発放射能漏れ、広域拡散も」、「すでに関東各地で通常の10-100倍の放射線量観測」、「専門家はいずれも人体に影響ないレベルというが・・・」

何を目的に、このような不安をあおるような書き方をするのだろう。

昨日報告された東京・新宿での放射線量は毎時0.809マイクロシーベルト。すなわち、この量を一日中浴び続けると19.416マイクロシーベルト、一年中浴び続けたとしても7086マイクロシーベルト、すなわち約7ミリシーベルトになります。

我々医学の専門家からすればこの数値は「原発の爆発にもかかわらず、むしろ心配な放射線拡散はない。安心できる」と判断できる量なのです。

私はレントゲンの透視下で内視鏡などを使って治療をするのが専門でしたから、自分の被ばく量を毎月計測していました。職業被ばくで許される被ばく量は年間50ミリシーベルトですが、たくさん検査や治療をしなければならなかったときは、被ばく量がひと月に10ミリシーベルトを超えることもありました。もちろんこのような場合は、被ばく量を減らすように勧告を受けるわけですが、昨日東京で観測された放射線量は、1年中浴び続けても、かつて私がひと月で浴びた放射線量にも満たないのです。

本日報告された各地の放射線量も全く安心できるレベルです。今日の夜のニュースではやはり不当な風評被害で被災地に物資が届かないという状況も起きているようです。不確実な情報に踊らされないでほしいと思います。

どうか皆さん、安心してください。

無事に生まれておめでとう

バスケ仲間のみっちゃんに元気な赤ちゃんが生まれたとのことで、夕方みんなで会いに行ってきました。

生まれたばかりの赤ちゃん、かわいくて、ちっちゃくて、でもしっかりした顔してた。

僕も自分の子供たち、3回見てきたわけだけれど、こんなにちいちゃかったかなあ。

よく覚えてないけれど、無事に生まれてうれしかったことだけは覚えてる。

「男でも女でもいいから、元気に無事に生まれてほしい」、って当たり前かもしれないことを願う気持ちは親になると実感しますね。

帰りの車の中で、一緒に行ったみっちゃんのことが大好きな一番下の娘に、「お前が元気に生まれてきたときはお父さんもお母さんも本当にうれしかったんだよ」と話すと、「ふーん」だってさ。

まあ、20年後自分が親になるときにはきっとわかるよ。

久しぶりのJISS

腰の手術で入院してからほぼ1か月、久しぶりにJISSに出勤しました。

しかし、いつも使う埼京線は止まっており、まずは山手線から巣鴨まで。

かなり歩いたせいで腰がつらくなって、ギブアップ。巣鴨駅でタクシーを拾おうと思ったけれど、タクシーも全く来ない。

仕方なく地下鉄に乗り換えて、本蓮沼からゆっくり歩いて20分、自宅から2時間近くかけてようやくJISSに到着しました。

研究室の私の机のまわりは、地震の影響で書類や本などが散乱していました。

それらを片付け、一か月たまった郵便物の整理などを終え、今日締め切りの年報用の業績をまとめました。

同時に、JOCの医学サポート部会やJISSとして、この大災害に対してスポーツ人として具体的に何ができるか、どのような方法で行えばよいか、策を練りました。

1か月も休んだのだから、腰の状態もまだまだだけれど、世の中のために一生懸命働きたいと思います。

この大災害にスポーツ人として何ができるか

大震災の大変な状況が明らかになってきました。

今朝、さっそく私の師匠、東芝病院の増島篤先生から私に電話がかかってきました。

「われわれJOC(日本オリンピック委員会)の医学サポート部会として、何かできることはないかなあ」

「やりましょう。アスリートたちとも共同して、活動しましょう」

オリンピック精神の根本はスポーツによる人類への貢献です。

おそらく、多くのアスリートたちも同じことを考えているでしょう。

アスリートたちとも共同して、スポーツ人として、この未曾有の大災害に対して自分たちに何ができるか、具体的にしっかり考えたいと思います。

こんな大災害でも略奪などが起こらない日本は素晴らしい

毎日ブログ更新しようと頑張っていたけれど、さすがに昨日は地震でみんなのことが心配でその余裕はありませんでした。

今日になって、さらに大変な状況が明らかになってきました。

津波に流されながらも助かった人、いまだに家族と連絡が取れずに途方にくれる人、子供や夫と連絡が取れず、「一人ぼっちになっちゃうよー」と泣き崩れる女性の姿を見て、泣きそうになりました。

被災地で、食料を求めるためにスーパーマーケットに並ぶ人たちの姿を見て感じました。

「外国ならきっと略奪や強奪などが多発すんだろうなあ」

そういったことが全く起こらない、自分のことだけでなくみんなのことを心配する、日本人の素晴らしさを見た気がしました。

東京もかなり揺れて怖かったけれど、電気も水道もちゃんと使えます。

被災した人たちのために、できる限るのことをしたいなあと思います。

舞の海の話はスポーツ人としておかしい

元小結の舞の海秀平さんが8日、講演で八百長問題について触れ、「お金のやり取りは問題だが、人情相撲というか武士の情け、というような部分が角界には昔からあった。真剣勝負だけれど時には情けが絡むあいまいな部分があってもいいのではないかと思う」と述べたといいます。

オリンピックやワールドベースボールクラッシックなどにも帯同し、「結果がすべて」の厳しいスポーツの世界を目の当たりにしてきた私としては、たいへん違和感があります。

私は、大相撲はれっきとしたスポーツであると思っています。もちろん伝統文化や神事の側面もあるけれど、根本はルールが決められた、正々堂々と戦うスポーツです。スポーツでないというのなら、ビデオ判定なんかする必要もありません。

もちろん、スポーツで「武士の情け」的なものが絡むことはあるでしょう。たとえば、野球の国際大会では大量点差がついた場合、盗塁はしない、という暗黙のルールがあります。

だいぶ古い話だけれど、高校野球で星稜高校の強打者松井秀喜(現在はアスレチックス)が5打席連続敬遠された時も、高校生らしくないとか、いろいろな意見がありました。ルールを守ってやっているわけだから問題はないのだけれど、これだって、スポーツの「情」的な部分が議論になtったわけです。

しかし、舞の海が言う、「ここでこの力士が負け越したらと思うと、そいつの家族の顔なんかも頭に浮かんで、力を出せないことがあった」というのは、ちょっとおかしいよ。だって、そのおかげで上に上がれない力士もいるわけだし、その不幸な家族の顔は頭に浮かばないのでしょうか?

それは、ただその上に上がれないかもしれない力士や、力士の家族を知らないというだけの話なのです。

プロ野球選手たちはその点大変しっかりしています。仲良くなりすぎると、情が移ることがわかっているからです。

だから、シーズンオフの自主トレなどでは他チームの選手と一緒にやることはあっても、シーズン中は友人であっても対戦相手となるチームの選手とはなるべく一緒にいないようにしています。

人情相撲を認めないわけではないけれども、少なくともそれを正々堂々と語ってはいけないのです。

大相撲にはまだまだ意識改革が必要です。

入院中のお楽しみ

こんにちは、セクレタリーKです。先週、無事に退院を果たし、現在自宅療養中の小松先生。

普段の多忙な生活とは180度違う、病院での日々。振り返ると、小松先生はいろいろと楽しまれていたようです。
まずは音楽。今日はアート・ペッパー、明日はコルトレーンと書いていらっしゃいましたが、実は病室にはこんなCDも。「ちあきなおみ これくしょん」 渋いです!

ちあきなおみ


次は、読書。お見舞いにいただいたのはこちら。

佐藤一斎氏「重職心得箇条」

小松先生の感想は「リーダーたる者の教えとして、この本を、ふがいない政治家や、医学部の教授たちに読ませたいなあ」とのこと。

そして、リハビリを兼ねてアルコーで病院を散策。窓から隣接する建築現場を観察していたそうです。

工事現場

「日々変化していくのが面白いんだよ!」と目を輝かせていた小松先生。

そんな風に過ごした入院生活では「患者さんの気持ちを改めて理解できたというのが大きな収穫だった」と前向きにお話しされていました。

早く元気になれるよう、引き続きリハビリを頑張っています。