月別アーカイブ: 2011年8月

スポーツを支える審判の方たち

深圳のユニバーシアード、日本選手団もほとんどの競技が入村し、毎日熱戦が繰り広げられています。

昨日は、女子バスケットボール、体操の個人総合に行ってきました。

バスケットは190センチ以上の選手4人を擁す優勝候補のオーストラリアとの戦いでした。あれだけ背の高さの違いがあって、懸命にリバンドに飛んでも届かない姿を見ていると、「ずるい」って思ってしまいます。でも、日本選手はよく頑張ってた。

そのあと行った体操は、個人総合の決勝、惜しくも男女とも銀メダルでした。そのあとのドーピング検査の付添いもして村に戻るのが12時を過ぎる毎日が続いています。

でも、このユニバーシアード、日本人でがんばっているのは選手や、スタッフだけではありません。それぞれの競技で何人もの国際審判の方たちが現地に来て活躍しています。もちろん真面目な日本人審判の方たちですから、日本選手の方を持つような不公平なジャッジはしませんが(でも外国人審判は露骨にするけどネ)、新しいルールに関する情報や、ジャッジの傾向など貴重な情報をもらえるので、日本選手団としても大事な存在です。今回も18人の日本人審判の方たちが深圳に入っています。

体操会場でも、時々ご一緒する荒木愼一さんの姿が。

いつものように、オールバックでかっこいいから後ろからもすぐわかりました。そしてよく見るとその左には、「スパークユンケル」の空き瓶が二本。

あー、荒木さんもがんばってるのね。朝から晩まで真剣に演技を見て点数つけて、ジャッジミスがないようにユンケル飲みながら頑張ってる。審判の技術の向上は競技力向上にとても関係があります。採点やジャッジの仕方に関して、国内の大会もできるだけ国際大会に近づけることによって、選手たちは海外でも同じように戦うことができるからです。

というわけで、審判の方たちも頑張ってる、日本が強くなるには審判の方たちの力も大事、というお話。いつも手弁当でスポーツを支えてくれている審判の方たちに感謝感謝!

今日も最後は、塚原団長の「今日の一言」です。

「一つの勇気がすべてを変える。 みつお」

選手村の食堂

ユニバーシアード、日本選手たちの活躍が続いています。

オリンピックなどの国際総合競技会では選手村内に大きな食堂が用意されます。

今回も、日本選手団宿舎から約5分の距離に食堂があり、24時間いつでも自由に食事をとることができます。

食堂内にはコンチネンタル、中国食、イタリアン、イスラム食など全世界の選手たちに食べられない物がないように揃えられており、衛生面にもとても気を使って運営されています。万が一、食中毒でも起きたら大変なことになりますからね。

日本食はありませんが、どれも十分おいしく、2週間の滞在でも飽きることがないように、メニューも工夫されています。食堂内にはマクドナルドも入っていて、ほぼ自由にマックのハンバーガーを食べることもできます。もちろん日本で食べるもののほうがおいしいけれど、この食事で文句を言っていたら国際大会で活躍できる選手にはなれません。どこに行っても、何を食べても、コンディションを崩さずに試合に挑むたくましさが選手には求められるのです。選手たちは、きちんと栄養バランスや量を考えて、ビュッフェスタイルの食事をとっています。

さて、最後に「今日の塚原団長の一言」です。

「チームジャパン、一つになれば奇跡が起こる。みつお」

塚原光男団長「今日の一言」

深圳ユニバーシアード、昨日から本格的に競技が始まりました。

昨日は塚原団長に同行し、男子バスケットボール、ビーチバレー、女子体操団体とまわりました。

男子バスケは初戦のウクライナ戦、団長と一緒に日の丸を振りながら大きな声で応援しました。日本はプレッシャーからか立ち上がりから大きくリードされ、後半は持ち直したものの残念ながら敗戦。

隣りにいるのは、団長付きのアシスタントのようくん、段取りの悪さを塚原団長から優しく注意されながらも一生懸命にやってくれています。

次に行ったのが深圳のリゾート海岸で行われているビーチバレー。男子チームが地元中国と戦いました。

会場は真夏の日差しの下、とても暑くWBGTは33度を超えていました。熱中症予防運動指針ではWBGT31度以上で運動を原則中止にしていますから、試合をやるにはとても過酷な環境、しっかり熱中症対策をしなければいけません。WBGTが何のことかわからない人は、日本体育協会の熱中症予防ガイドブックをみて勉強してね。

ふと見ると、本部のマジカルエクササイズ女医の中村格子ドクターの姿が。完全防備で日焼け対策は万全な模様。その手前のガッツポーズは本部トレーナーの吉田さん。

そして、向かったのが女子体操の団体戦。日本は最後の演技段違い平行棒でウクライナを大逆転、見事に団体金メダルを獲得しました。いやーすごかった、まさか逆転できるとは思わないくらい点差が離れていたのに、やっぱり最後の最後まであきらめちゃあだめですね。

ニッポンの体操女子選手たちは表彰台の真ん中に立ち手を振ります。そして、国旗掲揚、流れるのは君が代ではなく国際大学スポーツ連盟(FISU)の歌です。これも世界の学生の友好と国際親善を目的としているユニバーシアードならでは。

塚原光男団長は積極的に各競技会場に足を運び、大きな声で応援し、選手たちに気さくに声をかけます。かつてのあの「月面宙返り」で日本人では知らない人はいないくらいの偉大な方なのに、本当に頭が下がります。

毎朝行われる日本選手団本部のミーティングの最後には、塚原団長「今日の一言」があります。これから、このブログでも毎日のありがたい一言を紹介していくことにしましょう。

昨日までは、「明るく元気に、強く美しく、がんばろうニッポン」、「不可能を可能に、夢をあきらめない」、「油断大敵、ケガ一秒」、「勝利のあとこそ初心に帰れ」と続きました。

そして今日の団長からの一言はこれです。

「プレッシャーに打ち勝つ気迫を持て、みつお」

深圳ユニバーシアードの開会式

昨日、8月12日は開会式でした。

午後5時前に日本選手団宿舎の前に集合し、塚原光男団長、福井烈総監督の音頭で、「がんばろうニッポン」と再び、コール、気合を入れて開会式会場に向けたバスに乗り込みます。

開会式会場まで約1時間、バスが通る沿道にはたくさんの人たちが集まり選手団に手を振ってくれます。スゴイね、やっぱり中国は。

会場についてから入場行進が始まるまで約2時間、その間ずーっと途中の道で待っていなければいけません。これがいつも問題。今回も、とても暑い中、長時間待たされ、選手たちも結構クタクタ。開会式参加は選手たちのコンディションを考えると問題なのですが、せっかく来たのだから参加したいという選手の気持ちもあります。ですから、開会式に参加するかどうかは、選手や競技団体の意思が尊重されます。我々メディカルスタッフも、開会式に参加中の選手たちがコンディションを崩すことがないように気を配ります。塚原団長も少々バテ気味、でも顔と声はとても元気。

8時半をすぎてようやく日本の入場行進です。大観衆を前に帽子を振り、腕には「がんばれニッポン」の腕章。これは、大震災を乗り越えて「がんばろう」という日本の気落ちです。

開会式には胡錦濤国家主席も参列して、中国選手団入場時には割れんばかりの大歓声。国としてスポーツに対する力の入れようがよくわかります。盛大なセレモニーの後聖火に灯がともって開会式が終了しました。

選手村に戻ったのは、夜中の12時、体調を崩す選手もいなくてよかった。

今日からいよいよ本格的に競技が始まります。日本選手団が体調万全で戦うことができるように、メディカルスタッフみんなでサポートします。

メディカル・ルームの超特製薬品棚

今回のユニバーシアードもそうですが、オリンピックなどの総合競技大会では、通常選手村内の日本選手団宿舎の中にメディカルルームが設営されます。

日本から医薬品や機材を持ち込み、期間中のほとんどの医学的問題に対応できるように、簡易診療所を作ります。

大会組織委員会にあらかじめ持ち込む医療機材、医薬品の種類や総量などを申請し、許可を得たうえで行います。もちろん、ドーピング禁止医薬品は使うことができませんが、ほとんどの病気やけがは、ドーピング違反とならない薬で対処することができます。

また、我々は日本の医師免許を持っていますが、通常海外では医療行為を行うことができません。しかし、これに関しても、あらかじめ組織委員会を通じて申請し、「大会期間中に自国の選手団に対してのみ、その国で医療行為を行うこと」が各国政府から許可されます。

かつて、様々な大量の医薬品を運んでさらに整理して並べるのは大変な苦労でした。しかし、それを解決したのがこの「超特製薬品棚」。

代々のJISSの薬剤師、本波節子さんや上東悦子さんたちが、改良に改良を重ねて現在の特注薬品棚が完成しました。

これが本当にチョー優れもの。頑丈なジュラルミンケースをパカッとあけると、そのまま、すでに区分けされた医薬品が入った薬品棚に大変身するのです。

遠征用の医薬品を準備してそろえるのもJISSの薬剤師さんたちの大事な仕事です。大きな総合競技会だけでなく、各競技団体の様々な遠征用の薬剤の準備を行っています。

日本選手団は様々な人たちに支えられているのですね。

というわけで、私もチョースグレモノの薬品棚の前ではいポーズ。

あー、なんかカラダにしまりがないねえ。よし、閉会式までの2週間で少しはカラダをしぼろう。

これから開会式に向かいます。

ユニバのチームドクターミーティング

ユニバ・深圳に来て4日目、昨日はかなりの激しい雨でしたが今日は晴れました。それほど暑くはなく過ごしやすいです。

今日はFISU(国際大学スポーツ連盟)メディカルコミッション主催の「Team Physician Meeting」が選手村内の会議室で行われました。

各国のチームドクターが一堂に会して、今回の大会での医学サポート体制やアンチ・ドーピングに関する情報を共有します。

選手村内には大きなポリクリニックが設置され、期間中の選手たちの病気やけがに対応します。また、各競技会場や練習会場にも医療スタッフが配備されますが、今回はドクター4人を含む合計10人の医療チームが計87チーム作られ常時救急医療に対応するとのこと。ドクターだけで常時約350人を大会だけのために常駐させていることになります。また、今大会に備え新しい救急車も65台外国から購入したというのだから、さすが中国というかまさに中国。

会議では、わが日本選手団メディカルスタッフのマドンナ土肥美智子先生が流暢な英語で質問し、その美貌とともに皆の視線を釘付けにしていました。

1時間半に及ぶ会議の後、選手村内の食堂で昼食。選手のことを熱心に議論する整形外科の星川淳人先生。

少しずつわがメディカルスタッフの紹介もしていこうと思います。

ユニバーシアードの選手村に入りました

中国・深圳で開催される第26回ユニバーシアード競技大会、ここ選手村に到着して3日目です。

8日の朝6時に品川のホテルを出発、香港から国境を通って深圳に入り、さらに選手村入り口でもセキュリティーチェックを受け、選手村の宿舎に到着したのが夕方6時でした。

日本選手団のメディカルで選手村に持ち込む機材や医薬品などは、2週間以上となると相当の数になるので、セキュリティーチェックだけでもとても時間がかかります。

聞くところによると、このユニバーシアードに備えて中国軍は防衛用のミサイルを深圳に配備したのだとか。世界中からアスリートや関係者が集まるので主催する側は万全の警備態勢を敷きます。

医療器具は事前に申請しなければいけませんし、刃物類はもちろんのこと液体やアルコール類もチェックされます。某ドクターは、個人荷物に入れておいた「心の水」を没収されてしまい、そうとうしょげていました。

チームでそれぞれ運び入れる荷物以外にも、日本選手団本部だけで、ジュラルミンケースや段ボール70個以上になる重い荷物を、頼もしい若者アスリートたちが手分けして運んでくれました。みんな、礼儀正しくて力持ち、そしてさわやか。

昨日は、買い出しに行って、日本選手団宿舎内のメディカルルームを設営、、みごとな診察室やトレーナールームが出来上がりました。

8月12日が開会式ですが、一部の種目では明日11日から競技が始まります。我々メディカルスタッフも、万全な体制で、頑張っている選手たちをサポートします。

困難を乗り越えて頑張る「日本」の代表として、一生懸命に戦う「チームジャパン」の選手たちをぜひ応援してくださいね。