今日の昼、JISS7階のレストラン・アールキューブで食事をしていた時のこと。
隣のテーブルに座っていた、競泳のコーチから、
「食事中、突然へんな質問なんですが、鼻くそって食べたほうがいいって本当ですか?」
と質問されました。
どうやら、テレビで誰かが「鼻くそは食べたほうが丈夫になる」と話をしたらしいのです。
うーん、そういう話は聞いたことはないけれど、たぶん世の中清潔になりすぎて、健康のためには少し汚いものにも触れる生活をしたほうがよい、という趣旨のことだったのではないかと推測しました。
確かに、近年のアトピー性皮膚炎やぜんそくなどのアレルギー性疾患の増加の背景には、人間が寄生虫やばい菌にさらされなくたったことが一因であるといわれています。少しくらい汚いほうがいいらしいのです。
ただし、私の立場だと「少しくらい汚いほうがよい」とはなかなか堂々とは言えません。
試合を直前に控えた遠征などでは、感染症によって大事な試合に影響が出ることもあるから、キレイキレイにしてそのリスクを減らす努力もします。
でも、だったらそれを一年中やらなければいけないのか??
とても難しいところだけれど、でも、感覚的には無菌的にいることより、自分の体調を整えることのほうが病気にならないような気はするのです。
たとえば、我々医者は病気の人や感染症の患者さんたちととても数多く接します。
でも、それが原因で風邪をひきやすいとか病気をうつされやすいとか、そんなことはありません。診察中にマスクもしません、手洗い・うがいはよくするけどね。
そもそも、ばい菌やウイルスなんてものはこの世の中にはうじゃうじゃいます。だから大事なことはばい菌に打ち勝つ抵抗力を保つこと。
そのためには、体調を整えると同時に子供のころからあまり無菌的にならないことも大事なのかもしれません。
鼻くそは本当に食べたほうがよいのかどうかは、医学的以外の部分もあるからね。どう考えてもおいしそうじゃあないし、でも丸めてクスリだと思ったら飲めないことはないか・・
鼻くそは本当に食べたほうが体に良いのかどうか、今度成分も調べて、いろいろな文献も調べて、そのうち皆さんに報告しますね。