スポーツ選手と貧血

先日行われた女子レスリングのワールドカップ、吉田沙保里選手が4年4か月ぶりに敗れました。

そして、5月30日の新聞には、「敗因は貧血だった」との記事。

我々メディカルスタッフが選手の体の情報を言うことは絶対にないのですが、今回は本人が会見で話したので、誤解なきよう補足させていただきます。

吉田選手本人にも許可をもらったので、書きます。

今年の初め、、IT mediaエグゼクティブのコラムでも書きましたが、貧血になっては力が発揮できないスポーツ選手ですが、スポーツ選手は貧血になりやすいのです。

「なぜスポーツ選手は貧血になりやすいか?」

吉田選手も、もちろんこのことはよく理解していて、普段から食事にはとても気をつけていました。

でも、今回のメディカルチェックで脈拍が普段より速かったので、「もしや」と思って至急採血の結果をみたら、軽度の貧血であったことが判明したのでした。

「貧血になると普段より脈拍が速くなる」

ぜひ覚えておいてくださいね。

それから、「貧血」とはヘモグロビンの濃度が下がることで、いわゆる「血がうすくなる」こと。

「立ちくらみ」や「血圧が下がる」事とは違います。

これも以前書いたから見てみてね。

「スポーツ貧血と立ちくらみ」

吉田選手も今まで通り、バランス良い食事をモリモリ食べていますし、もう大丈夫です。ロンドンには体調万全で臨むことができます。

気持ちもスッキリして、ロンドンまでには体調もバッチシになって、必ずオリンピック三連覇してくれると思います。