ロンドンオリンピック帯同記、その5

オリンピックもあと二日間となりました。

9日は、女子レスリング吉田沙保里選手と浜口京子選手の試合でした。

会場にはたくさんの日の丸がゆれ、二人に大声援を送ります。

これは、浜ちゃんの応援うちわ、松川知華子さんの手作りです。

松川知華子さんは女子レスリング55kg級で世界大会では何度も優勝している実力者でした。しかし、同じ階級に最強の女、吉田沙保里選手がいるためにオリンピック出場を果たす事ができず、昨年までで競技生活を引退しました。

今年3月、浜口京子選手のオリンピック出場権を賭けたカザフスタンでの試合では、浜口選手のサポート役として一緒に遠征に帯同し、浜ちゃんをロンドンオリンピックへ導いた女性でもあります。

だから、この手作りうちわには、チカのたくさんの思いが詰まっているのです。

そのチカのドキュメンタリーが9日テレビ朝日「モーニングバード」でオンエアされました。

とりあげてくれたことが本当にうれしいです。

松川知華子さんはロンドンには来ることができませんでしたが、きっと日本から浜口選手、そしてライバルだった吉田選手に声援を送っていたはずです。

私も観客席やウォーミングアップ会場を行ったり来たりしながら大きな声で応援しました。

でも、ご存じのとおり浜口選手は1試合戦っただけで、3大会連続のメダル獲得はなりませんでした。

本当に残念でした。

試合後に、お父さんのアニマル浜口さんと一緒にマスコミに囲まれ、お父さんが話していたことがとっても印象的でした。

「京子バカヤロー、俺はお前の親だからお前を怒らなきゃあいけないんだよ。お前のために一生懸命サポートしてくれた人たち、ロンドンまで応援に来てくれた人たち、テレビの前で応援してくれてた人たちがたくさんいるんだよ。みんな『よく頑張った』って言ってくれるだろう。だからこそ俺が怒らなきゃあいけないんだよ。俺がバカヤローって言わずに誰が言うんだ。おれはお前の親なんだよ」

本当は「京子、本当にこの4年間、よく頑張ったな」と言って抱きしめたいにきまっているのに。

素敵なお父さんだな、とあらためて感じました。

日本に帰ったら、またあの浜口道場で「笑いの特訓」お願いしますね。

そして、吉田沙保里選手は見事に3連覇、本当にすごいです。

吉田選手も、5月のワールドカップで敗れたり、そのあとコンディションがすぐれなかったり、私も少しかかわっただけに、とてもうれしい。

ここぞというときに必ず力を発揮する、吉田選手を見ていて、学ぶことだらけです。

そして、長い間すべてを犠牲にしてレスリングにかけてきた栄和人監督、おめでとうございます。

栄監督のご苦労もよくわかっているから、沙保里が金メダルを決めた瞬間、あのくしゃくしゃの顔をみて、またウルウルしてしまいました。

レスリングもあと二日、みんな続いてほしいです。

それではこれから、ボクシング村田諒太選手の決勝戦に行ってきます。村田、たのむよ!