ぜんそくとオリンピック選手

★★★「ぜんそくだったからこそ僕はオリンピックで金メダルがとれた」

ぜんそくの子供たちに勇気を与えてくれた

スピードスケート金メダリスト清水宏保さんの言葉~~~

スピードスケート金メダリスト・清水宏保さん(右下)

寒くなってきました。長野も寒いです。毎朝辻立ちしていると、手が痛くなるほどの寒さ。

最近増加してきた、喘息も季節の変わり目や冬の寒い時期に発作が起きやすいので、注意しましょうね。

スポーツドクターとしてトップアスリートたちを見ていると、
意外にも喘息(ぜんそく)の選手が多いことに気づきます。

実は2002年から2010年に行われた過去5回の夏季・冬季のオリンピック選手のデータを分析したところ、アレルギー性の気管支ぜんそくによく見られる「気 道過敏性」をはじめとするぜんそくが、オリンピック選手に最も多くみられる疾患であることが、西オーストラリア大学のKenneth D. Fitch博士らの研究から、明らかになり2012年8月号のBRITISH JOURNAL OF SPORTS MEDICINEに発表されました。多くのオリンピック選手たちは、喘息という苦しい病気と闘いながらスポーツをしているのです。

今年の6月に開催された第29回日本小児難治喘息・アレルギー疾患学会の特別企画「アスリートと喘息セッション」に講師として招かれたとき、私はトップアスリートでも喘息の選手がたくさんいること、JISSでの喘息に対する取り組み、喘息とアンチ・ドーピングのことなどを話しました。

この日のゲストとして参加してくれたスピードスケートの金メダリスト、清水宏保さんも喘息と向き合いながら金メダルというゴールを飾ったアスリートです。

清水さんを含め、多くの喘息に苦しむアスリートたちが、喘息の正しい診断や治療のために力を貸してくれていることも、私の講演の中で紹介しました。

清水宏保さんとは本当に久しぶりでした、たぶん5年ぶりくらいかなあ。引退してもあの優しそうで精悍な顔つきは昔のままです。

自らの喘息の経験や、スポーツに対する思いを語り、会場を訪れたぜんそくの子供たちの夢を応援してくれました。

「喘息だったからこそ僕はオリンピックで金メダルがとれた」と語る清水さん。

「継続することが大変だった」との言葉には、長く競技をつづけてきた誇りも感じました。

こうやって、引退してからも、「スポーツに何ができるか」を常に考えて「世の中のために」行動してくれている姿には、本当に頭が下がります。

さあ、小松ゆたかも、オリンピック選手を見習って、大きな目標に向けて頑張るぞ!