衆議院厚生労働委員会で国会初質問しました!

本日は、厚生労働委員会で初質問させていただきました。

自民党は与党ですから、委員会での質問の機会も少なく、質問時間もあまり長くありません。

そんな中、ありがたいことに、2日前にご指名いただき、「健康保険法等の一部を改正する法律案」に対する質問を勉強して準備しました。

結局、準備が終わって寝たのが昨日の3時でした。

これが、委員会室の様子です。

話すのは相当慣れていたはずだったのに、本当に緊張しました。国会議員としての正式な質問です。何か言葉の間違いがあったら大変です。原稿は作ったけれど、見ずに答弁するつもりでした。しかし、恥ずかしながら足がガタガタ震え、原稿を時々見ながらの質問になってしまいました。

しかし、きっと思いは伝わったはずです。

高齢化社会が進む中、健康保険制度をしっかり維持するために大事なことは医療費削減策ですが、「病気にならない」、「健康長寿でいること、これこそが根本的なな医療費抑制策です。健康長寿県長野のこと、須坂市の保健補導員制度のこと(これは以前にも書きました、https://www.komatsuyutaka.com/kolog/?p=3532)、スポーツや、学校検診の話など、を交えながら質問させていただきました。

そして、「須坂の母ちゃん頑張る」も紹介しちゃいました。

田村大臣も渡嘉敷大臣政務官も、丁寧に、わかりやすく答えてくれました。

田村大臣の答弁は、いつも本当に勉強になります。

緊張はしたけれど、国会議員としての責任を感じ、今日の気持ちを忘れずに頑張らなきゃな、と改めて感じました。

最後に、用意した原稿を載せます。

衆議院のサイトで、動画も見ることができるはずですから、がちがちに緊張した「小松ゆたか」も御覧ください。

2013/04/05 厚生労働委員会 質問

「健康保険法等の一部を改正する法律案」 小松裕

自由民主党の小松裕です。新人議員として、初めての委員会質問に立たせていただきます。

私自身、消化器内科医として長年医療の現場に携わってまいりました。そんな中、医療の現場の声がなかなか政治に届いていない、と感じたことがそもそも政治を志した原点でもあります。今までこの委員会でも質問された多くの医系議員の先生方と思いは同じであると感じています。
さて、今回の「健康保険法等の一部を改正する法律案」についてであります。

昨年、「社会保障制度改革国民会議」が三党合意によって成立したことは、進行する少子高齢化社会、それにより増大する社会保障費の抜本改革のために、大変重要な英断であったと考えます。そして、社会保障制度改革と財源確保の目処が立ったことが、アベノミクスの基盤ともなり、現在の景気回復の上げ潮が起きて居るものとすら考えます。

それほど社会保障の問題は、社会の根底、経済や金融にも大きな影響力をもつ要因です。病気になっても安心して病院を受診できる、老後も安心して暮らすことができる、この「安心」というキーワードは日本を支えるうえで極めて重要なものであります。

今回の法案はその新しい社会保障制度構築までの一時的措置として、必要最小限ながら、当然の対応であると考えます。

しかしながら、新しい社会保障制度が構築されるとしても、今後の社会保障費、特に医療費の増大は避けて通れるものではありません。同時に、各保険制度の存立にも関わるものとして、「医療費の削減」がこれからも重要な課題となるのは当然であります。

この「医療費の削減」に関しては、私自身、医療の現場にいながら、いままで、機械的な小手先だけの医療費削減政策が多かったのではないかと感じておりました。すなわち、根本的な医療費削減策、すなわち、「病気にならない」、「健康長寿でいること」、などを目指すといった観点が、多少かけているように感じておりました。

私は長野県を選挙区とする議員であります。長野県は光栄なことに男女ともに長寿日本一の県となりました。世界一の長寿国である日本、その中で最も長寿の県ですから、「世界一の長寿県」ということになります。普通であれば、年齢が高くなるほど医療費も増大するものです。しかしながら長野県は一人あたりの医療費、特に老人医療費が最も少ない県でもあり、今回の法改正で財政支援措置を行う「協会けんぽ」の都道府県別の保険料率も9.85%と最も低い県となっています。

この相反する事実については、長年にわたって健康というものに心を砕いてきた先人の功績に拠るところが大であると共に、真面目で勤勉であるという県民性に由来するものと少々誇らしく感じています。また、在宅医療を可能とする条件が整っており、その結果、平均在院日数が他県より短く、自宅での死亡割合が高いことなどが、その要因としてこれまで指摘されています。

このように、我が長野県の例を見ても、健康というものに気を配ることが、医療費の削減に貢献することは明らかです。何よりも病気にならないこと、健康を維持することが医療費、社会保障費の削減にとっては重要なことなのであり、保険制度の維持にも大きく貢献するものです。

そこでお伺いいたします。「保険制度のなか」での健康づくりのための施策、あるいは、医療費を抑えるような努力をする自治体や保険組合などに対して、何らかのインセンティブを与えるといったような施策が講じられているのかどうか、具体的にお教えください

私は、8年前、大学病院から東京北区西が丘にあります国立スポーツ科学センター(JISS)に移動し、昨年の選挙直前まで、内科のスポーツドクターとして、日ごろからトップアスリートたちを医学的に支えるという仕事もしてまいりました。昨年のロンドンオリンピックでも日本選手団本部ドクターとして参加し、入場行進も行いました。また、日本が獲得した7つの金メダルのうち6つの現場に居合わせるという幸運な経験もさせていただきました。

JISSの目標は国際競技力向上、すなわち金メダルをたくさん取ることでありますが、選手が頑張って勝利することで、多くの国民がそれを見て感動し、スポーツを好きになり親しむ、そして自分でも体を動かす、このことが最終的に国民の健康増進や医療費削減につながるものと信じて、私はトップアスリートたちを支えてまいりました。スポーツの価値は多様であります。このことは、一昨年制定されたスポーツ基本法にも書かれておりますし、2020年の東京オリンピック・パラリンピック招致も、最終的には国民の健康増進や医療費削減につながるものであると考えています。

根本的に医療費を削減するための国民の健康づくりにかかわる要素は、もちろん、スポーツ以外にも、様々あるでしょう。

これらに重点を置き、保険制度の中で医療費の削減が実現していくことになるのなら、それは国にとって莫大な社会保障費の削減に貢献することとなり、国の財政再建にも大きく貢献していくことになるわけであります。

そこで、お伺いいたします。国としての、或いは地方自治体として、国民の健康づくりのための考え方、施策に関してお教えください。

先日も、長野県須坂市役所を訪問し、「健康づくり課」の様々な取組の話を伺ってまいりました。地域のつながりを大切にし、健康づくりの大切さを学び実践しあう「保健補導員制度」、これら地域の取り組みを、「医療費削減」という観点からもぜひ国として支援する仕組みを継続していただきたいと思います。

また、同日訪問した県立須坂病院では大学の先輩でもある消化器内視鏡医の先生からこんな話もお聞きしました。ご存知かと思いますが、胃の中のピロリ菌感染、これが胃がんの大きなリスクファクターであることが判明し、ピロリ菌をやっつけるいわゆる「除菌治療」で胃がんを予防できるということが話題になっております。この先生は、長野県内のある高校の2年生を対象にピロリ菌の感染率を調査し、その結果高校生の5%がピロリ菌に感染しているということが判明しました。まだピロリ菌に感染して間もない若年者ほど除菌治療により胃がん予防効果を期待できることから、学校健診でのスクリーニングと早期除菌の重要性を医学的に指摘しています。

学校健診は文部科学省所管ですが、現在は「就学に支障があるかどうか疾病をスクリーニングする」、「健康課題を明らかにすることにより健康教育に役立てる」という目的で行われており、将来の病気を予防する、という観点で行われていません。しかし、今後は学校健診においても将来の病気の予防や医療費の削減といった観点からそれを実施する、という考え方も取り入れるべきなのかもしれません。

いずれにせよ、「医療費削減」に関して、小手先ではない、根本的な、そして長期的な、様々な観点からの省庁の壁を超えた政策が重要であることを強調し、そして自分としてもそれらに真剣に取り組むことをお約束し、私の委員会初質問を終わらせていただきます。

ありがとうございました。