内村航平選手に学ぶ、勝負強い心のつくり方

国会が閉会してひと月余りが経ち、11月に入りました。北信は朝晩の冷え込みが日に日に強まり、冬がもうそこまで来ているようです。閉会中は地元を中心に活動しています。さまざまな会合や行事に顔を出させていただき、たくさんの方と会い、いろいろなお話を聞かせてもらっています。

そんな中、嬉しいニュースが飛び込んできました。イギリスのグラスゴーで行われていた体操の世界選手権で、内村航平選手が団体と個人総合、また種目別の鉄棒で金メダルを獲得し、三冠に輝きました。個人総合では6連覇を達成しました。

体操日本男子のエース・内村航平選手とは、忘れられない思い出があります。2011年に東京で開催された世界選手権の時のことです。この大会で、内村選手は前人未到の個人総合3連覇を達成しました。しかし種目別の鉄棒では点数が伸びず、銅メダルに終わりました。

この結果に、がっかりしたり、不満を言ったりするかなと思っていると、チームドクターとして会場にいた私に「この鉄棒の銅メダルが一番嬉しい」「最終演技者として、有終の美を飾ることができました」と言って、話しかけてきました。内村選手は自分で納得する演技ができたという喜びを感じて、満足していたのです。周囲の声や評価に左右されずに、「自分自身の最高のパフォーマンスをすること」に集中できること。それが、内村選手の勝負強さの秘密だと思います。

今回、団体で金メダルは獲りましたが、内村選手は鉄棒で落下したこともあり、インタビューでは満足していない様子でした。しかし種目別の鉄棒では、その落下したG難度の「カッシーナ」という技に再度挑戦すると見事に成功させ、圧巻の金メダルに輝きました。内村選手も「最後の最後に自分の演技ができた」と笑顔で振り返っていました。

どの社会にもおいても、結果を求められるのが世の常です。それは政治の世界も例外ではありません。しかし、結果だけを気にしすぎると不安が高まってきます。心は乱れ、往々にして、いい結果を残すこともできなくなってしまうものです。だからこそ、結果に一喜一憂せず、自分の演技に集中できる内村航平選手の姿勢に、私たちが学ぶべきヒントがあると感じています。

内村航平選手、本当におめでとう!
来年のリオデジャネイロ五輪も、たのむよ!

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         ▲内村航平選手と 2012年ロンドン五輪にて

内村航平選手と体操の採点基準などについて、過去にも書いています。
こちらもぜひご覧ください。
・「信念を貫く内村航平の美しい体操」(ITmedia エグゼクティブ)