月別アーカイブ: 2015年8月

子育て応援マガジン「monami」に掲載されました!

北信地域を中心に配布されているフリーペーパー、子育て応援月刊マガジン「monami」(モナミ)の8月号に、私のインタビュー記事が掲載されました。

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医療や子育て施策について、オリンピック選手をサポートしたスポーツドクターとしての経験や、また私自身の3人の子育て経験をもとにお話ししました。

「monami」は、主に北信地域の図書館や書店、子育て支援センター、保育園、幼稚園、スーパーなどで、無料で配布されています。もし見かけたらぜひお手に取って読んでみてくださいね。

みなさんからの感想も、お待ちしています!

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「日本遺産」認定を応援します!

善光寺を中心とした門前町の「日本遺産」認定に向けて、中心となって準備を進めている長野市教育委員会とワーキンググループのみなさんが来館されました。

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「日本遺産」とは、地域の歴史の魅力や特色を通じて、日本の文化・伝統を語るストーリーを文化庁が認定するものです。

世界遺産や文化財指定は、登録・指定される文化財の価値付けを行い、保護することが目的です。

一方でこの日本遺産は、地域に点在する魅力ある有形・無形の文化財を活用し、国内外に発信することで、地域活性化を図ることを目的としている点に違いがあります。

みなさんもよくご存知の通り、長野や北信には善光寺をはじめとして、日本遺産に相応しい歴史とストーリーのある魅力的なものが数多くありますよね。

「日本遺産」認定に向けて、私も積極的に応援していきます!

熱中症に注意しましょう!

お盆が過ぎ、100年目の甲子園も閉幕しましたが、残暑が厳しい、暑い日が続いています。

消防庁によると、今年7月の熱中症による全国の救急搬送者数は2万4567人で、統計を取り始めた2008年以降、7月としては最多だったことがわかりました。このうち、約半数の1万2307人が65歳以上の方でした。

●熱中症は、予防が大事!

まず熱中症は、誰にでも起こる危険性があり、自分は大丈夫と思わないことです。そのうえで、熱中症の予防には、暑い時に無理な運動をしないことや、こまめに水分と塩分を補給することなどが大切です。気温だけではなく、湿度が高い時も要注意です。屋内ならエアコンを適切に使いましょう。

年齢を重ねると、暑さやのどの渇きを感じにくくなります。のどが渇いていなくても、時間を決めて水を飲むなどの工夫が必要です。また、風邪や下痢など体調が悪い時は熱中症になりやすいため、無理をしないようにしましょう。

●万が一、熱中症になってしまったら

フラフラする、吐き気がするなど症状が軽い場合は、日陰に移動して水分補給します。そういう時は血圧が下がっていることが多く、横になって両足を高い位置に上げること。嘔吐で水が飲めない時は、病院で点滴を受けることが必要です。

体温が40度くらいまで上がる、 意識がもうろうとしてうわごとを言うなどの症状が出たら、重症です。その場合、すぐに救急車を呼ばなくてはなりません。そして、重要なのは救急車が来るまでの間に身体を冷やすことです。日陰に移動させて、うちわや扇風機などで風を送ったり、氷があれば脇の下や首、股のつけ根など太い血管が走るところを冷やしたりしましょう。

まだまだ暑い日が続きますが、私も熱中症に気をつけながら、一生懸命に国会で活動し、地元・長野を回ろうと思います。

熱中症については過去にもブログに書いていますので、こちらも合わせてご覧ください。

・「熱中症のお話」(2007年8月「e-resident」掲載~熱中症について)

・「急に暑くなった日は熱中症に気をつけよう!」

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「改正 研究開発力強化法」の解説本が出版されました

この度、私が法改正検討チームの一人として、また共著者の一人として小坂憲次先生や後藤茂之先生とともに発行に携わった「改正 研究開発力強化法」という本が出版されましたので、紹介します。

研究開発力強化法。なかなか聞き慣れない法律かもしれませんが、これは国による資源配分から研究成果の展開に至るまでの、研究開発システムの改革を行うことで、公的な研究機関や大学、民間企業も含めた日本全体の研究開発力を強化してイノベーションの創出を図り、日本の競争力強化を図ることを目的とした法律です。

私もかつて大学病院などで医学研究に携わり、大学での研究のあり方や体制など、いくつかの問題点も感じてきました。

この本では、研究開発力強化法改正検討チームのメンバーによる座談会が特集されています。日本のトップ研究者と科学技術政策に取り組む国会議員とが、現状の日本の研究体制やそれを支える仕組みについての問題意識から現状分析、そして将来展望について議論を展開しています。

私は「研究開発機関のあり方、国の役割、科学技術分野の人材育成」というテーマの下、ノーベル賞受賞者でもある野依良治・理化学研究所理事長をゲストに迎えた回で、自身の医学研究者としての経験を基にお話をさせていただきました。

国や地方自治体の関係者、大学・研究機関等でマネジメントを行う関係者、産学官連携や国家プロジェクトなどに取り組む企業の担当者をはじめ、科学技術政策に関心を持たれているみなさまに、日本の科学技術政策の理解の一助として、また政策の企画・立案・評価や研究開発現場で実際に改正法を適用するにあたっての指針として、本書をご活用いただければ幸いです。

『改正 研究開発力強化法』(科学新聞社)

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平和安全法制に関する私の考え

毎週末、地元の長野に戻り、お宅を一軒一軒回ったり、またお祭りにお邪魔したりしながら、たくさんの方々にお話を伺っています。

先週も「自民党や安倍政権はもっと国民の声に聞く耳を持たなければいけない」「平和安全法制も、口では丁寧に説明すると言いながら、納得のいく説明をしてくれないじゃないか」「戦争だけは絶対にしちゃだめだ」など、多くの方からご意見をいただきました。

70年前、私たちは多くの犠牲を生んだ悲惨な戦争を経験し、「不戦の誓い」を立てました。憲法9条の精神、これは私たち日本人が永遠に持ち続けなければいけないものです。

この平和憲法のもと、日本は戦後70年にわたり平和と繁栄を築いてきました。同時に、この間、日本はどの国からも攻められることがありませんでした。これには平和外交への取り組みや世界各国との信頼関係の構築など、先人たちの様々な努力があります。

日本がこれからも侵略戦争をしないことは当たり前のことです。しかし万が一、日本が他国から攻められるというようなことがあれば、自衛のための戦いが始まり、多くの犠牲を出すことになるでしょう。日本が攻められても平和ではなくなってしまいます。70年間、日本が平和国家として存在し続けることができたのは、自衛隊と日米安保条約の存在も大きな役割をはたしているのです。

今回の法案になかなか理解が得られないのはいくつかの理由があると思います。

1つ目は、「平和な世界を目指す上で、この法案が必要か」という議論が最も重要であるにも関わらず、当初よりこの法案が「戦争法案」などと決めつけられて議論が行われているために噛み合わず、深化していないこと。
2つ目は、グレーゾーン事態への対処と言われるような「集団的自衛権とは離れている部分」と、「集団的自衛権の行使までの部分」が一括して審議されているために議論がわかりにくくなっていること。
3つ目は、「このような法整備が必要か」という点と、「この法案が憲法違反か」という点がごちゃ混ぜになって議論されていること。
4つ目は、「国際法上の集団的自衛権」と、今回その一部を限定的に容認しようとしている「必要最小限度の集団的自衛権」が、同じものとして議論されていること。
5つ目は、法案だけでなく、政権が物事を決めていく姿勢の見られ方、また自民党議員の発言や態度等の雰囲気に多くの国民が不安を感じていること。

こういった理由があるのだと思います。論点を整理して、今回の平和安全保障法制に関する私なりの考えを述べてみたいと思います。

1.なぜこの法案が必要なのか

世界の平和を実現するために、国連を中心とした平和外交を推進し、武力行使をしなくてもよい国際関係を構築する外交努力が重要なのは言うまでもありません。しかし近年、国際情勢の変化から、どの国も一国のみで平和を守ることはできない、という認識が共有されつつある中で、日本の平和を守るために、憲法上許される「必要最小限度の実力行使」として「限定的な集団的自衛権を行使すべきだ」という議論が出てきました。

そもそも日本を含む北東アジアは、ロシア、中国、北朝鮮、韓国、アメリカという国々の軍事力が集中する地域であり、また世界的にも核兵器をはじめとする大量破壊兵器の拡散や軍事技術の高度化、国際テロリズムの蔓延など、日本を取り巻く安全保障環境は日に日にその厳しさを増しています。

そんな環境の中で、日本の平和と安全を守ることは私たち国会議員の最大の責務であり、あらゆる状況に対応可能な、万全な安全保障体制を構築する必要があります。約2年前から自民党内で議論が始まり、その後公明党との与党協議を経て憲法が許容できる範囲内での法案が作成され、今国会への提出に至りました。

今日に至るまで、自衛隊は国連PKO等で停戦監視や被災民救援などを実施し、国際社会の平和維持に貢献してきました。その一方で、海外にいる日本人の警護や救出、また協力支援活動としての傷病者に対する医療や建設業務などは現行の法律では実施することができませんでした。

そのため、例えば1985年3月、イラン・イラク戦争でイランの首都のテヘランが危機になり、日本人215人が孤立しましたが、それを救ってくれたのはトルコ政府でした。救出に派遣した2機のうち1機を日本人救出に当て、そのために乗れなくなってしまった何百人かのトルコ人を陸路で脱出させました。
また1994年のイエメン内戦では96名の日本人観光客が孤立し、それを救ってくれたのはドイツ、フランス、イタリアの軍隊でした。2000年以降だけでも総計238人の日本人が11か国の軍用機や艦船等で救出されてきました。
2004年のイラク派遣では自衛隊の武器使用が限られており、先遣隊約30人がオランダ軍に守られながらイラクに入国。その後もオーストラリア軍などの警護を受けながら復興支援に当たる、ということがありました。

国際社会の平和と安定のために、自衛隊が法律上の枠組みの下、幅広い活動で十分に役割を果たすことができるようにすることが、日本の抑止力や国際社会における信頼性を高め、ひいては武力紛争を未然に回避し、日本に脅威が及ぶことを防ぐことに繋がると私は考えています。それが、この法案が必要な理由です。

2.憲法違反との指摘について

私たち国会議員は憲法を遵守して法案の作成に携わっており、それは立憲主義の基本であると考えています。一部の憲法学者から、この法案は憲法違反であるという指摘がありますが、私たちは内閣法制局の意見も参考にしつつ、『急迫不正の侵害があり、国民を守るためのやむを得ない措置としての【必要最小限度】にとどまる限り、個別的・集団的を問わず自衛のための武力の行使は禁じられていない。したがってこの法案は憲法違反ではない。』という考え方に立っています。

朝日新聞の調査では、アンケートに回答した憲法学者122人中、この法案を「違憲」と答えた学者は104人にのぼるとのことで、そのことだけが大きく報じられました。しかし同時に、このアンケートでは全体の7割近い77人の学者が、自衛隊の存在そのものについても「憲法違反」または「憲法違反の可能性がある」と回答していることも付け加えておきます。

憲法の平和主義の原則の下、9条の中で許容される自衛の措置の限界を整理し、他国に脅威を与える「戦争法案」ではなく、日本と世界の平和と安定を目指すこの法案を、私は憲法に違反するものではないと考えています。

3.「国際法上の集団的自衛権」と「必要最小限度の集団的自衛権」の違い

1972年の政府見解で、集団的自衛権は「国際法上有しているが、憲法上行使できない」とされてきました。ここで言う「国際法上の集団的自衛権」とは、現在議論されている【必要最小限度の集団的自衛権】とは別の考え方です。
「国際法上の集団的自衛権」とは国連憲章において国連加盟各国に行使が認められている、同盟国等の外国防衛それ自体を目的とするものですが、しかしこの行使は今回の法案でも認めていません。許されるのはあくまでも日本を守るための【必要最小限度の集団的自衛権】であって、自国の防衛に目的を限定するという核心部分は堅持されており、従来の政府見解における基本的な考え方は全く変わっていないのです。

今回の安保法制では、この【必要最小限度の集団的自衛権】を行使できるかどうかの判断基準として新たに三要件が定められました。

一、 わが国に対する武力攻撃が発生したこと、またはわが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること。

二、 これを排除し、わが国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと。

三、 必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと。

この新三要件を満たしているかどうかについては、政府だけではなく国会も判断することになっています。また集団的自衛権は権利であって義務ではないので、常に行使しなければならないものではありません。行使するかどうか日本が主体的に判断することが可能で、すなわち「行使しない」という判断を日本が決定することもできるのであって、民主的な統制も確保されています。

私たちは憲法の精神に則り、日本と国際社会の平和と安全を守るための方策を練るべきで、それがこの「平和安全法制」です。

今回の法案は日本が戦争に参加するためのものではなく、「戦争を未然に防ぐためのもの」です。そのことをご理解いただき、またこの法案に対して一人でも多くの方から「日本にとって必要な法案だ」とご理解いただいた上で、法案を成立させなければならないと思います。そのために、これからもさまざまな形でご理解をいただく努力を続けていきます。

これからも謙虚な姿勢で、みなさんの声に耳を傾け、誠実に政治に取り組んでまいります。

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