月別アーカイブ: 2010年11月

「スポーツドクターになるにはどうすればいいんですか?」

兵庫県の高校生からこんな質問をいただきました。

「私は今高校一年生です。将来はスポーツに関する仕事に就きたいと思っています。中でもスポーツドクターは私が一番就きたいと思っている職業です。そのためにはどんな大学に行ってどんな勉強をし、どんなところに就職すればよいか教えてください」

質問ありがとう。僕のブログも読んでスポーツドクターになりたいって思ってくれたんだね。

スポーツドクターになるにはまずは一人前の医者になること。そのためにはたくさん勉強して大学の医学部に合格して、そこでもまた医学の勉強して国家試験に受かって、医者になってからもまたまた勉強して信頼される医者になること、そこからスポーツドクターへの道が開けてくるよ。

人の話を聞くこと、相手の気持ちを理解する能力もスポーツドクターになるには大事だよ。そのためには、勉強以外でも、なんでも挑戦して、たくさんの人と接して、いろいろな考えが世の中にはあることも知らなきゃね。

なんでも構わないけれど、なりたいものがある、やりたいことがあるっていうのは素晴らしいことだよ。いつまでもその気持ちを持ち続けてほしい。

応援してるよ

栄養も笑顔も大事だね!

秋も深まり、朝晩は肌寒くなってきましたが、読者の皆さんはいかがお過ごしでしょうか。わたしは変わらず世界中を飛び回っており、9月にはロシア・モスクワで開かれたレスリング世界選手権、10月にはオランダ・ロッテルダムで行われた体操の世界選手権に、チームドクターとして海外帯同しました。

体操の世界選手権では、男子が団体で惜しくも銀メダルとなりましたが、内村航平選手が……★ITmediaエグゼクティブ小松裕の「スポーツドクター奮闘記」 更新!

マルチサポートハウスでリカバリー

朝からいつもの会議、アジア大会中の医療状況やドーピング検査状況の報告を受けてからディスカッション、毎度のことですが自分のボキャブラリーの少なさにはうんざりします。身振り手振り、それから目で伝えようとすれば何とかなるのですが、頭はとても疲れます

昼飯を食べてから、某競技会場でドーピング検査のチェック、そのあとはソフトボール会場に行って日本チームを応援してきました。ソフトボールの連中とは7月のベネズエラでの世界選手権以来です。相変わらずみんな元気で頑張ってました。

そのあと選手村に移動してポリクリニックでドーピング関係の書類の受け渡し、日本選手団の医務室にも立ち寄りました。最強の女・レスリングの吉田沙保里ともばったり、僕は25日に日本に戻るから吉田の試合は応援できないなあ、と言うと、「なんだー、帰っちゃうんですか」と最強の女。でも応援してもしなくてもどうせ勝っちゃうんだから。まあ、みんなからそう思われる本人なりの大変さもあるんだろうけどね。

選手村を後にして最後はJISSのみんなが頑張っているマルチサポートハウスに立ち寄りました。日本選手団を村外から全力でバックアップしているマルチサポートハウス、今日もたくさんの選手たちが来ていました。それぞれの専門家たちが、「リカバリー」をキーワードにサポートし、もうすでにのべ2000人近くの選手たちが訪れているとのことです。短期間でこれだけの準備をしてきたスタッフには頭が下がります。何より、わがJISSが一致団結してロンドンオリンピックに向けて選手たちをサポートしよう、という雰囲気が盛り上がってきたことがとてもうれしいです。

ここ数日かなりへとへとな私も特製肉じゃがでリカバリー、うまい、元気になった、明日からまた頑張るぞ

今日も働いたぞ

今日も朝10時からメディカルコミッティーのミーティング、いつものように医務やドーピング検査関係の報告を受ける

11時半に出発、野球の3位決定戦を応援、相手は中国、見事に銅メダルを獲得、よかった、小島監督の目もうるんでいたな

全日本の4番は西郷泰之、彼とは1996年のアトランタオリンピックに一緒に行った、あれから14年、ずーっとアマチュア一筋で頑張っている、頭が下がる

そのあと選手村の医務室にビールの差し入れ、セキュリティーの兄ちゃんは許してくれた、感謝

午後4時に選手村の食堂で遅い昼食、そのあと某競技場でドーピング検査の監督をして今ホテルに戻った、時計は午前1時、夕ご飯は食いそびれちゃった

てな私の一日でした

マルチサポートハウスと野球の準決勝

昨日から再びアジア大会が行われている広州に戻ってきました。さっそく朝のメディカル会議に出席です。今日は取り立てた議論はなく、ドーピング検査室視察の報告などや昨日の救急患者の数などの報告を受けました。

午後はJISSが運営している「マルチサポートハウス」に行ってきました。選手を村外でサポートするための施設で多くの選手が訪れていました。選手からの距離もほど近く、これなら選手たちの大きな力になりそう。先崎看護師もがんばってた。プールわきに特設したジャグジー、交代浴が大人気なんだとか

そのあとは一度選手村に入って、日本選手団のメディカルスタッフたちと情報交換。まあ、情報交換といっても、チェックが厳しい村のセキュリティーをかいくぐって、どうやってビールを持ち込むかの相談だけどね。

そして今度は野球の準決勝、対台湾戦に向かいました。韓国、台湾は全員プロ、WBC(ワールドベースボールクラシック)にも出た最強軍団、おまけに韓国は勝てば兵役免除のおまけつき。そんな両チームに全員アマチュアの日本がそれだけ戦えるか。

今回の監督は小島啓民さん、4年前のドーハのアジア大会ではコーチでご一緒した。

バックネット裏に行くと、鈴木義信さん、山中正竹さん、川島勝司さん、過去の全日本の監督さんたちが勢ぞろい、一緒に観戦、応援

日本はピッチャーが踏ん張るも、なかなか塁を進められず、3対0で迎えた9回の裏、5番の林選手が起死回生の同点スリーラン、野球界の重鎮たちともハイタッチして大喜び

しかし、タイブレークとなった延長で敗れ、決勝進出ならず。残念。

プロたちをギャフンと言わせたかったのになあ

明日はすっきり勝って銅メダル、たのむよ!

少年野球観戦

金曜日にアジア大会の広州から一時帰国しました

今日は午後ちょうど時間が空いたので、1時間ほど小学3年生の甥っ子の野球の試合を観戦

よく考えたら少年野球を見るのは初めて。子供たちはみんな一生懸命頑張ってた。

ボランティアでコーチしてくれているお父さんたちも、みんないいこと言ってたなあ

「大きな声であいさつしろ」「一生懸命に集中しなきゃだめだ」「みんなで助けてあげなきゃ」「何やってんだ、バカヤロー」

隣りでお母さんがつぶやいた

「最近は学校でも、バカヤローなんておこられることもないですもんね。こうやっておこられたり褒められたり、本当にいい勉強だと思う」

さて、私の甥っ子まーちゃんは見事なレフト前ヒット、守備でも大ファインプレー、大活躍

やっぱり俺は「あげちん」かなあ

野球も勉強も一生懸命頑張れよ、また応援に来るからね

広州のアジア大会

昨日から中国の広州にいます

12日から開催される第16回のアジア大会、今回はいつものようにチームドクターとしての帯同ではなく、大会を主催するアジアオリンピック評議会(OCA)の医事委員としての仕事です

アジア大会は4年に一度オリンピックの間に開催される総合競技会で、いわばオリンピックのアジア版。オリンピック種目に加えて、ボウリングやスカッシュ、空手、セパタクロー、女子ラグビーなども行われます。2年後のオリンピックの前哨戦でもあり、今回はアジア地域の45か国より1万4千人を超える選手・役員が参加、日本からもトップレベルの選手たち726人が参加します

その中で、私たちOCA医事委員会の仕事は、広州組織委員会がきちんとした医務活動やドーピング検査を行っているか、監督・助言する、という立場です

今日は一日中ミーティング、大会に際した準備状況などを聞きディスカッション、アドバイスなどを行いました

いつものチームドクターとしての帯同ではジャージ姿の私ですが、今日は背広にネクタイ、少しは医者らしく見えるかなあ

これからしばらくは英語漬けの生活が始まります