通常国会会期末まであとわずか、国会委員会での審議に加え、党本部でも様々な議連や部会の議論がびっしりです。
昨日も安全保障法政整備推進本部で、10回目の集団的自衛権に関わる党内議論が行われました。並行して公明党との与党内協議も進んでいます。
先日はツイッターでも集団的自衛権に関する私の考えを聞きたいとの投稿が寄せられました。
我々は二度と侵略戦争を起こしてはならない、平和憲法、不戦を誓った第九条の理念は永遠に持ち続けなければいけない、私は強く思います。
そもそも28年前、研修医だった私は、まだ未熟な医師として修行を積みながら、目の前の患者さんを助けようと一生懸命働いていました。一方テレビでは連日のように、争いで命を落とす人々や、飢えでなくなるアフリカの子供たちも放送される、そのことになんとも言えないやるせなさも感じました。今思うと、このことが政治を志した原点であったのかもしれません。
集団的自衛権の議論に関して、よく「戦争のできる国にしようとしている」という意見がありますが、そのようなことは決してありません。私は「二度と戦争をしないためにどうすれば良いか」という議論だと考えています。
私もオリンピック選手たちを支えるドクターとして世界中を回りましたが、世界には様々な人たちがいます。例えばドーピング、日本人選手たちは決して「ズルをしても勝つ」というような卑怯なことはしませんが、世界ではそうではありません。ドーピングがいまだに横行し、勝つためにルールもかえてしまう、というようなこともしばしばです。世界で生きて行くためには時として性悪説も必要です。たくましさもなければいけないということを学びました。
戦後70年近くが経ち、世界の情勢は大きく変わりました。不測な事態がおきても、国民の命を守る責任が我々にはあります。そのために現在の自衛隊法でできることは何なのか、できないことは何なのか個別に検討する。そして必要な法整備が国際的に集団的自衛権に当たるのか個別的自衛権で対応できるのか、という議論を重ねているのです。
ですから、自衛隊が日本と離れた他国の戦争に加担する、というようなことは決してないように、他に適当な手段のない場合の必要最小限の実力行使にとどめるべきで、明確な制限が必要だと私は考えています。
そしてそのために一番重要な制限となるのは「憲法第九条」だと私は考えています。「憲法解釈を替えるのではなく正々堂々と憲法改正を議論しろ」という意見もありますが、現時点では憲法第九条が一番強力な制限です。ですから、この集団的自衛権の議論においては、憲法を時代に即したものに正しく解釈する、という知恵の方が、みんなが心配する「戦争ができる国」にしないためにも正しいやり方なのではないか、と思います。ちなみに私は憲法改正に関しては、時代にそくさなくなった部分は改正すべきと思いますが、憲法第九条、平和憲法の理念は替えるべきではない、という考えです。
いずれにせよ、国民的な議論は必要です。そして、「そりゃそうだよな」とみんなが納得するかたちで法整備を進めて行かなきゃいけない。わたしもその努力を続けて行きます。