月別アーカイブ: 2011年3月

計画停電中の熱中症対策!

こんにちはセクレタリーKです。本日、日本テレビのニュース番組「every.」に小松先生がちょっとだけ登場!ご覧になりましたか? 震災の影響による夏の節電・計画停電にどう対応するかという特集の中で、小松先生は熱中症対策についてコメントされていました。

その内容をご紹介します。

今年も昨年以上の、暑い夏になることが予想されているそうです。しかし、電力不足のため、クーラーの使用を控えたり温度を下げたりすることが求められます。各国からの支援はあるものの、電力不足の可能性が大。経済界も工場等の操業時間の短縮や夏季休暇の分散などを検討し、政府も対策を進め始めています。

しかし、暑い夏をどうのりきったらよいのでしょうか? 番組では猛暑の夏を乗り切るための節電法などが、具体的に紹介されていました。クーラーの設定温度を下げ扇風機を併用する、またゴーヤやヘチマなどをつる系の植物を植えて緑のカーテンをつくる、ホームセンターなどで遮光シートを買って窓ガラスに貼るなどなど。様々な知恵がありました!

熱中症は防げます。

さて、小松先生の熱中症対策へのコメントです。

冷房が使えない状態では、なるべく風通しを良くする!

暑い時だけでなく、夏の時期はこまめに塩分・水分をとる!

これで計画停電で冷房が使えなくても恐れる事はありません!!!

暑さになれることも熱中症予防に大事、普段から冷房の温度を高めに設定しておくことも忘れずに。

私も、健康を維持しながら節電に励もうと心に誓いました。みなさんもくれぐれもお気をつけください。

熱中症については詳しくはこちらををご覧ください。

「熱中症対策!」

昨年は梅雨明け後、猛暑が続きましたね。7月までに2万人以上の人が熱中症で病院に救急搬送され、7月17日からの2週間で216人の方が亡くなったとの報道もありました。毎年この時期にはマスコミから熱中症に関するコメントを求められ、何度かテレビやラジオでコメントしました。熱中症の危険性や救急処置、水分補給の重要性などはもっと多くの人に知ってもらわなければなりません!

熱中症の最も重症な状態を指す「熱射病」に陥ると、死亡する可能性が高いのです。かつては「日射病」などと呼ばれ、直射日光が関係する印象がありますが、熱中症は室内でも簡単に起きてしまいます。

今年の夏も昨年を上回る猛暑が予測されています。加えて、先日の震災の影響で計画停電も実施される見込みです。もちろん節電も続けていかなければなりませんが、熱中症とはどういうものなのかを理解していただいて、その上で具体的な対策をお伝えします。ちゃんと準備をすれば、熱中症は防げます!!

熱中症事故はお年寄りや乳幼児だけではない

近年の都市化によるヒートアイランド現象や地球温暖化の影響もあって熱中症に対する知識が普及しているにもかかわらず、熱中症による死亡者数は減っていません。毎年500人近くの方が亡くなっており、その多くが体温調節機能の衰えたお年寄りや脱水状態になりやすい乳幼児です。さらに、15歳前後の元気な中学生、高校生がクラブ活動中やスポーツ中などに熱中症で死亡するという事故も多いのです。

スポーツ活動中の熱中症の死亡事故は毎年起きています。「行ってきます」と元気に家を出た子どもが、次の日には変わり果てた姿で家に戻ってくるのです。家族にしてみれば、「どうして?」となかなか受け入れられません。スポーツの指導者が熱中症の知識に乏しいことが原因になる場合もあり、最近では訴訟の件数が増えています。スポーツによる熱中症事故は「無知」と「無理」によって健康な人でも生じるものですが、適切な予防措置さえ講ずれば防ぐことができるのです。

意外と歴史が浅い熱中症の予防対策

わたしが熱中症にかかわることになったのは、今から20年も前のことでした。それまで日本では、スポーツ活動中の熱中症予防に関する具体的な予防指針がありませんでした。そこで悲惨な事故を防ごうと、1991年、日本体育協会に「スポーツ活動における熱中症事故予防に関する研究班」が設置されました。そのとき、現在わたしの上司である川原貴先生に声を掛けていただき研究班に加わりました。

研究班では、スポーツ活動による熱中症の実態調査、スポーツ現場での環境測定、体温調節に関する基礎的研究などを行い、1994年には「熱中症予防8か条、熱中症予防のための運動指針」を発表しました。このガイドラインは、日本体育協会のホームページでダウンロードできますので、ぜひ一度ご覧いただけたらと思います。これらの功績が認められ、2002年には秩父宮スポーツ医科学賞を受賞しました。

今では考えられないことですが、当時は熱中症という言葉がそれほどポピュラーではありませんでした。日射病の方が一般的で、「熱中症って何かに熱中し過ぎること?」などと真面目に聞かれたこともあります。

水分補給できる環境作りを

地道な普及活動の甲斐があり、熱中症がどんなものなのか、多くの人々に広まってきました。「暑い時期にスポーツする場合には、こまめな水分補給が大事」ということもかなり浸透してきました。しかし実際には、スポーツの現場で適切な水分補給ができていない場合がまだ多いといえるでしょう。

重要なポイントは、自由に水分補給できる環境にあるかどうか。クラブ活動中に、「自由に水を飲んでもいいよ」といっても、「休憩時間に先輩よりも先に水が飲めない」、「すぐ近くに水がない」、「水ばかり飲んでいたらだらしがないと思われる」といった、水分補給を邪魔する要素がまだまだ存在します。実際に下級生ほど熱中症による死亡事故が多いというデータもあります。スポーツの現場では、いつでも水分補給できる環境や、いつでも水分補給できる雰囲気を作ってあげることが肝要です。

熱中症になるかどうかは、その日の体調も大いに関係します。寝不足、きちんと食事が取れていない、下痢や風邪などの状態は熱中症になりやすいのです。「前日に遅くまで飲んで、寝不足のまま朝食も取らずにゴルフに出発。炎天下でプレイして昼にビール」――これは最悪のパターン。ビールは利尿作用もありますから脱水をさらに助長します。

暑い日時期をむかえても、皆さんも「こまめな水分、塩分補給」と「外出前、運動前にコップ1杯の水」を心掛け、決して無理せずに夏の暑い時期を乗り切ってください。

大相撲の八百長問題、スポーツを守るためにすべきこと

またまた大相撲が大騒ぎです。スポーツの価値を脅かす八百長問題、今後、事の行方によっては、大相撲の存続さえも危ぶまれる問題です。私が今回の騒ぎで少し気になるのは、一部で「大相撲はスポーツか否か」の議論を持ち出し、「大相撲はスポーツではなく伝統文化で神事であるから人情相撲や阿吽(あうん)の呼吸は許されるのだ」…

★ITmediaエグゼクティブ小松裕の「スポーツドクター奮闘記」 更新!

避難所でのスポーツ活動、さっそくJリーグ動く

昨日、避難所でのスポーツ活動の大事さ、スポーツにかかわるそれぞれの立場の人間がかかわれること、として書きました。

そしたら、さっそく今日の夕刊、「J選手被災地に派遣検討」との記事が。

避難所での小中学生の「避難所は退屈」、「早く運動がしたい」という声に、Jリーグが応えようとのことのようです。

さすがに避難所生活も10日を超え、子供も大人も、精神的なストレスもためってきている様子。

ですから、このJリーグが行おうとしている行動は、単に有名選手が慰問するというのではなく、避難所で一緒に運動しよう、という話です。おそらく、選手以外にもトレーナーなどいろいろなスポーツ関係者がかかわることになるのだと思います。

野球関係者の私としては、野球も何かできればいいなあ、と思います。

Jリーガーといえば、かつてセレッソ大阪や柏レイソルなどにいた友人の岡山一成、本当にいいやつで僕は大好き。元気でいるかなあ。昨年は韓国でプレイしたみたいだけれど今年はどうするのかなあ。明日でも連絡してみよう。

避難所でのスポーツ活動、これもスポーツ界ができること

今回の震災、国民みんなが、「自分たちにできること」を考え、行動しています。

スポーツ選手たちも、様々な支援やメッセージを送ってくれています。

日本オリンピック委員会(JOC)でも、ドクター、トレーナーの医療チームを派遣することになりました。

そんななか、今朝の朝日新聞に興味深い意見が載っていました。

「避難所でスポーツ活動を」と題した、神戸大学臨床教授の賀来正俊先生のオピニオン。

ご自身の阪神大震災の経験から、避難生活中の体や精神的な不健康の予防のため、適度な運動による健康効果が重要であるという意見。「被災者にスポーツなんて」と思うかもしれないが、スポーツ活動によって心的外傷後ストレス障害(PTSD)の期間を短くできたり、医薬品の消費も抑えられるとのこと。

そのために、被災地の教員、スポーツ選手、指導者、トレーナーなどスポーツにかかわりがある人たちにぜひ避難所でのスポーツ活動のリーダーシップをとってほしいと。

これも今回の大震災でスポーツ界ができることだと思いました。

東京都医師会、鈴木聰男会長からの手紙

わたくしも所属する東京都医師会から、鈴木聰男会長の手紙とともに、災害医療チームの募集のお願いが届きました。

「国難にあたり医療者の力を結集してください」と題された鈴木会長の言葉。

一人の命を救うために日夜一生懸命に働いている医者たち、だから、何とか力になりたいとみんなが思います。

「今、私たちが経験している未曾有の複合災害に、多くの国民や被災者は生活の再建や幸福を追求する意欲を挫かれているかもしれません。しかし、私たちには、あの戦後の無から立ち上がったこの国には、自助と共助の心で支えあってきたこの国には、もっと強い力があると信じたいと思います。すでにこの国を守るために、危険を顧みず救助や復旧に当たる人々、見知らぬ人や隣人に対し手を差し伸べる人々、善意や使命感や連帯感によって多くの国民や団体や企業が立ち上がり始めています。私たちもその一員です。・・・・どうか、今も悲しみや絶望の中にいる人々のために、安全と生命が脅かされている人々のために、医療者の力を結集してください」

という、鈴木会長のことば、ほとんどの医者が理解できる言葉だと思います。そして、そのために力になりたいと感じます。

でも、手術をして退院してからまだ2週間、硬いコルセットをして腰を動かすことのできない私、本当に情けないです。

それでも、自分にできることをしっかりやって行こう、と思います。

不安をあおる言葉たち

枝野官房長官の会見を聞いていて感じました。

「長期にわたって摂り続けなければ問題になる放射線量ではありません」

「ただちに健康に害を及ぼすものではありません」

「長期」とはどれくらいなのか、1か月なのか1年なのか、「ただちに」とはどれくらいの時間なのか。

避難命令や、今日指令が出たホウレンソウや生乳の出荷停止。それの言い訳のように続くこれらの言葉はますます不安をあおります。

医者も同じようなことをいうことがあります。

手術や検査の説明において、「まれに、0.1%以下ではありますがこの検査で死亡することもあります」などなど。でもポイントは必ず数字を入れること。

これらは十分な説明を行って承諾をもらって検査や手術をする、というインフォームドコンセントですが、医療側の「ちゃんと合併症がおこりえることも説明しましたよ」という証拠でもあります。患者さんは「死亡することもあります」などと言われれば不安になりますが、0.1%以下という数字を聞けば少しは安心できます。

枝野長官も言い訳的な説明をせざるを得ないのかもしれないけれど、せめて、数字を出してくれれば、もう少し不安は和らぎます。

先日のこのブログでも、通常より相当高くても大した放射線量ではないことを書きました。https://www.komatsuyutaka.com/kolog/?p=740https://www.komatsuyutaka.com/kolog/?p=743

会見の前にせめて専門家に具体的な数字を入れた原稿を作ってもらえばもう少し国民が不安にならずに済むのになあ。

人のために行動する

大震災、被災された方たちはもちろん、こんな状況の中いろいろな人たちががんばっています。

今日のニュースでも、被災地に乗り込んで医療行為を行っているドクターたちも紹介されていました。

そんな姿を見ていると、自分もあの場に行って少しでも力になりたい、と本当に思います。でも、この腰じゃあ逆に迷惑かけるなあ。

福島第一原発で、決死の放水作業を行った東京消防庁のハイパーレスキュー隊の隊長の記者会見もみました。

「まずは危険な作業を行う隊員たちを送りだしてくれたご家族に、お詫びと感謝の言葉を述べたい」と語った隊長。

こういうことを言えなければリーダーにはなれないと感じました。

原発に出かけることを報告したら、奥さんから、「ニッポンを救うために頑張ってください」と返事があったと。

自身の被曝を覚悟で、世の中のために、とがんばっている自衛隊、警察、東京消防庁、そして東京電力の職員の方、そしてそれを見守るご家族、そのほかたくさんの方たち、本当に頭が下がります。

JISSクリニックでも、マジカルエクササイズ女医中村格子先生が段取りをとってくれて、被災地に服や靴を送ろうという支援活動をを始めました。

こうやってみんなが、「人のため」と行動することがとてもうれしいです。