無責任な報道による風評被害に怒りを感じます

今朝TBSテレビ「みのもんた朝ズバッ」で、南相馬市の市長さんが風評被害の実情を訴えていました。

「支援物資が届かない。トラックの運転手が放射線を被ばくしたくないといって街に入ってくれない。市の職員がわざわざ郡山まで支援物資をとりにいっている。市でも独自に放射線量を測定しているが全く問題のないレベル。そのことを全国の皆さんに伝えてほしい」

昨夜書きました。不安をあおるような無責任な見出し。その結果がこういうことになるのです。今朝の新聞に出ている週刊誌の広告見出しにも、「戦慄放射線汚染」、「東京放射線汚染」、といった、見出しが並んでいます。

昨日書いたように、東京はもちろんのことこの南相馬市でも放射線量は安心できるレベルです。南相馬市の放射線量は毎時3.3マイクロシーベルト。これは1年間浴び続けても28908マイクロシーベルト、すなわち28.9ミリシーベルトですから我々医者がレントゲン検査で1年間に被ばくすることを許容されている50ミリシーベルトの範囲内なのです。

みんなが、「被災した人たちのために何とかしたい」、と思っているのに、こういった無責任な見出しが、被災した人たちを苦しめる結果になるということを新聞や週刊誌はわかっているのだろうか。結局、みんなが興味を引きくような刺激的な見出しをつければ、売り上げが上がるから書くのだろう。

国民の多くが自分のことより被災地のみんなのことを考えているのだから、報道する側も自分たちの売り上げなど考えず、被災地の人たちのことだけを考えてほしい。

マスコミの皆さん、ぜひ被災地に風評被害が出ないようにお願いします。医学的な正しいコメントが必要なら24時間対応しますから、どうぞいつでもご連絡下さい。